活動レポート

イブニングセミナー

2025年度 第4回イブニングセミナー 今後の巨大地震への備え、インフラ強靭化戦略 報告

 2026 年2 月24 日(火)、日本大学にて「2025年度 第4回イブニングセミナー」が開催されました。今回は、計画・交通研究会 北海道地方問題小研究会の奈良照一氏をコーディネーターに、東京大学生産技術研究所の目黒公郎教授より、「今後の巨大地震への備え、インフラ強靭化戦略」についてお話しいただきました。
 まず、関東大震災から約100年が経過しましたが、この震災が「大正デモクラシー」の自由な気風を終わらせ、その後の敗戦へと続く日本の歩みの転換点となった背景や現在日本が抱える諸課題の本質的な原因の多くに、人材・機能・財産が首都圏へ極度に集中していることが深く関わっていることについて説明がありました。
 そして、今後の巨大災害対策は、少子高齢化や厳しい財政状況の中で対応せざるを得ない「貧乏になる中での総力戦」となるため、防災を単なる「コスト(経費)」ではなく「バリュー(価値)」へと変える意識改革が必要であること。災害時にしか役立たないものへの投資は継続が難しいため、平時と有事を区別しない「フェーズフリー」な対策こそが、持続可能な防災の姿であることが説明されました。
 さらに、日本企業が災害リスクを理由に国際市場で過小評価される「ディザスターディスカウント」の解消についても言及され、適切な情報開示と国際的な評価ルールを確立し、事前の防災努力が企業価値の向上に直結する仕組みを作ること。これこそが、一
極集中を改善し、日本企業全体の価値の増加によって、日本社会が豊かになるとともに将来の被害も大幅に軽減できる環境が実現するのではないかと述べられ、閉会しました。

首都高速道路(株) 丸山大貴(広報委員)

目黒公郎 東京大学 生産技術研究所 教授
目黒公郎 東京大学 生産技術研究所 教授
会場の風景
会場の風景