イブニングセミナー
2024年度 第1回イブニングセミナー 報告
2024年7月16日、東京大学にて2024年度第1回イブニングセミナーが開催されました。
第一部は、東日本旅客鉄道(株)三島大輔氏より「50年の都市鉄道の変化~技術面を中心に~」と題して話題提供いただきました。これまでの50年を3つの時代に分け、1975年からは混雑緩和、輸送力増強、1990年からは地域との連携、耐震補強、バリアフリー、駅ナカ開発、2010年から現在はホームドア整備、駅まち一体開発が主な取り組みとして、各時代の整備事例やそれを支えてきた技術を紹介しながら、変遷を分かりやすく説明されました。次に岩倉成志芝浦工業大学教授からは、これまでの50年間の先人の努力と課題について振り返るとともに、これからの四半世紀において考えていくべきことについて語っていただきました。
第二部は、「これからの鉄道とそれを支える技術の展望~サステナブルな鉄道へ~」と題し、最初に、東日本旅客鉄道(株)伊東 寛氏、東武鉄道(株)今村憲司氏、東急電鉄(株)横尾俊介氏、東京地下鉄(株)大槻裕毅氏より現在進めている駅や周辺開発、IT を活用した運用効率化、地域連携や環境の取り組みについて紹介いただきました。続くディスカッションでは、地域に愛される鉄道となるために多様なステークホルダーと対話・連携しながら駅やまちづくりに取り組んでくことが大切だという意見が多くありました。
人口減少とコロナ禍を経て移動の減少という社会変化や災害、脱炭素化、国際競争力向上など複合的な課題に対し、鉄道がサステナブルな公共交通機関となるためにはどうあるべきか考える機会となりました。
関西国際空港熱供給(株) 奥田 豊(広報委員会幹事長)