活動レポート

その他

記念講演会・祝賀会

50周年記念講演会 報告

 第15回通常総会・合同役員会後、同会場にて「50 周年記念講演会・祝賀会」が開催され、約160 名が参加しました。
 岩倉成志 芝浦工業大学教授(当会理事・会長代理)の司会進行で、羽藤英二 東京大学教授(当会第6代会長)による挨拶、中村英夫 東京都市大学名誉総長(当会第2代会長)による祝辞で始まりました。羽藤会長の挨拶では設立から50年、歴代会長をはじめとし、会員の皆様のご尽力により受け継がれてきたことで、今日を迎えられていることの御礼のお言葉がありました。中村名誉総長の祝辞では、当会の成り立ちを初代会長の八十島義之助先生の話も交えながらお話いただき、また近年は、多種多様な会員の入会、外部の方の協力により会として成熟してきたことの喜びのお言葉をいただきました。
 次に、「能登半島地震と国土」というテーマで羽藤会長による調査報告がありました。2024年1月1日に発生した能登半島地震による被害状況の調査報告や、発災後の対応について過去の災害や直近の台湾花蓮地震との比較による分析、今後の災害対策のあり方や能登半島と国土の未来像についてお話しいただきました。
 続いて、「災害と国土」というテーマで家田仁 政策研究大学院大学特別教授(当会第5代会長)、楽奕平 芝浦工業大学准教授、岩倉教授、茶木環 当会広報委員長による討論がありました。「我々は過去の災害から学び、次に活かしていかなければならないが、今回の能登半島地震もしかり、他人事、空理空論になっていないか。」という家田特別教授の問いかけから始まり、いかに「我が事」として捉えられるか、捉えてもらうためにはどうすればよいか、という点が焦点となる討論でした。楽准教授から台湾花蓮地震発災後の迅速な対応は、各地方自治体が過去の災害を我が事として捉え、日ごろから政府やNGOと連携しているからだと、他国の事例のお話がありました。また岩倉教授からは、日本でも阪神・淡路大震災以降に作られたインフラは今回の能登半島地震でも軽微な被害であったというお話がありました。森地茂 政策研究大学院大学名誉教授(当会第4代会長)からは、復興とあわせて人が訪れたくなる魅力的なまちにできるとよい、また、長い目でみると過疎地域に人は居住しなくなってしまうため、中長期的な人の住まい方という観点も含めた議論もできるとよいとお言葉をいただきました。
 最後に徳山日出夫 一般財団法人国土技術研究センター理事長(当会理事)による閉会の辞がありました。ご自身の東日本大震災の被災地支援・復興の経験等も交えながら、人々が災害を「我が事」と捉えるためには、情報の伝え方が大切で、事実を伝えるだけでなく、人の心を動かすような伝え方が必要だというお話しをいただきました。
私もインフラ業に従事する一人として、日ごろから「我が事」として危機意識を持つことの大切さと難しさを改めて認識するとともに、平時も有事の際も人々の生活と密接につながり、生活を支えている誇りと責任を感じる講演となりました。

東武鉄道(株) 高山滉平(広報委員)

岩倉教授(司会)
岩倉教授(司会)
中村名誉総長(祝辞)
中村名誉総長(祝辞)
羽藤会長(調査報告)
羽藤会長(調査報告)
家田特別教授(討論)
家田特別教授(討論)
左より 岩倉教授、茶木広報委員長、楽准教授、家田特別教授(討論)
左より 岩倉教授、茶木広報委員長、楽准教授、家田特別教授(討論)
徳山理事長(閉会の辞)
徳山理事長(閉会の辞)
森昌文 内閣総理大臣補佐官(祝賀会 祝辞)
森昌文 内閣総理大臣補佐官(祝賀会 祝辞)
森地名誉教授(祝賀会 乾杯の挨拶)
森地名誉教授(祝賀会 乾杯の挨拶)
水野高信 元事務局長(祝賀会 祝辞)
水野高信 元事務局長(祝賀会 祝辞)