活動レポート

イブニングセミナー

2023年度 第3回イブニングセミナー 報告

 12月5日(火)、第3回イブニングセミナーをハイブリッド形式(参集型とオンラインの同時開催)で開催し、日本大学の石坂哲宏准教授の司会進行で、4名の講師の方々にご講演頂きました。
 まず、パナソニック・正田寛氏(元環境省地球環境審議官)より「生物多様性の主流化に向けた動き」として、政策理念や制度設計についてご紹介いただき、「ビジョンはグローバルに、アクションはローカルに」といったまとめの言葉もご披露頂きました。
 続いて、東京大学の吉田丈人教授より「生態系を活かした地域づくりをどう進めるか?」というテーマで、自然を活かすグリーンインフラ・NbS(Nature-based Solutions: 自然に根ざした社会課題の解決策)、伝統的な方策である不連続な堤防・霞堤など、足元にあるものを活かしていくことの大切さについて伺いました。
 次に、清水建設・橋本純氏より「企業による生態系を活かした地域づくり」についてご紹介いただきました。建設業は自然への依存度の高い産業の一つだということで、企業の環境ビジョンや目指す環境価値(脱炭素、資源循環、自然共生)、都市型ビオトープ「再生の杜」や「八ツ堀のしみず谷津」を題材に、CSR(Corporate Social Responsibility)からCSV(Creating Shared Value)を目指した実践的な取組みについて、ご説明いただきました。
 また、MS&ADインシュアランスグループホールディングス・浦嶋裕子氏から「損害保険グループが取り組む生態系を活用したレジリエントでサスティナブルな社会」と題して、同社が進めるグリーンアースプロジェクトの取組みを題材に、公的制度による経済価値化の必要性についても言及頂きました。
 講演では、政策理念・制度設計等の施策の方向性と先進各社の取組みの事態を、あわせて拝聴・理解することができ、非常に有意義なセミナーとなりました。

三菱地所(株) 高瀬太郎(広報委員)