活動レポート

春の見学会

2023年度春の見学会 暮らしと経済を支える大都市の高速道路リニューアル工事現場見学 報告

 2023 年5 月10 日、首都高速道路株式会社のご協力をいただき、リニューアルプロジェクトの第一弾である1号羽田線「東品川・鮫洲更新工事」と、供用から45年以上経過し深刻な損傷が発生している高速湾岸線「荒川湾岸橋」の現場見学会が開催されました。
 冒頭、開通から60年を迎えた首都圏の大動脈である首都高速道路においても構造物の劣化が進行し、総延長327kmのうちの約64kmで更新事業が進行中であり、2014年以降の法定点検によって想定以上に損傷が顕著となっている事象が発生し、新たな更新事業が必要となっている現状と、最新のリニューアル技術についてご説明いただきました。
 東品川・鮫洲更新工事現場では、展示室が設けられており、江戸時代の地図に現在の首都高速道路路線図を重ねたパネル、時代とともに延伸していく路線図の歴史と東品川・鮫洲更新工事の概要についてパネル展示があり、非常に解り易く学ぶことが出来ました。この区間は、海水による桟橋や桁のコンクリート部分の劣化、損傷が多数発生しており、長期的な安全を確保するため耐久性と維持管理性に優れた構造に造り替えているとのことで、普段入ることの出来ない完成したばかりの高速道路下のプレキャストボックス内部の点検空間を見学させていただきました。また、東品川工区では、現在撤去中の既設道路部分を見ることができ、当時急ピッチで建設したにも関わらず、非常にしっかりした構造物であったことに驚きました。
 一方荒川湾岸橋では、普段聞くことのできない建設時の話や現状の維持管理手法、塗装部分損傷のメカニズムについてご説明いただき、実際に高速道路下に部分補修のために設けられた仮設足場を歩き現状を見学しました。首都高速道路の歴史と50 年以上前の建設技術の素晴らしさ、100年先を見据えた維持管理について考えていく貴重な機会となりました。

管清工業(株) 内海克哉(広報委員)

鮫洲工区のプレキャストボックス内部空間
鮫洲工区のプレキャストボックス内部空間
荒川湾岸橋の損傷状況
荒川湾岸橋の損傷状況
1班 東品川・鮫洲集合写真
1班 東品川・鮫洲集合写真
2班 荒川湾岸橋集合写真
2班 荒川湾岸橋集合写真