活動レポート

イブニングセミナー

第2回イブニングセミナー 「 宇宙はいったい誰のもの?」報告

 さる7月2日(金)、標題のセミナーがオンラインで開催されました。まず、東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻の中須賀真一教授にご講演いただいた後、これに対し、清水建設の寺村隆男氏にコメントをいただき、続いて鹿島建設(株)顧問の田代民治氏との討議がなされました。

 中須賀先生からは、日本の宇宙開発の現状、そして現在の宇宙開発をめぐる論点と今後の方向性についてご説明いただきました。現在、宇宙開発技術は、測位、地球観測、通信、放送、宇宙科学、宇宙探査、輸送、ステーション建設、軍事など様々な分野へ拡がっていること、特に最近問題となっている異常気象等による災害対応には、一定以上の頻度での観測が必要であり、小型の衛星の数を増やして配置していく「コンステレーション」が重要であること、そして小型衛星はまさに日本のお家芸で、日本がもっと頑張っていくべきとのお話を伺いました。
 また今後、宇宙に係る技術を進めるには、民間ベンチャー等の参画が重要であり、そのために日本は、欧米などに比べ遅れている国の後押し強化が必要であるとのことでした。
 コメンテーターの寺村様からは、衛星からの観測技術で、今やこんなことまで解るという先進事例の紹介や、田代様との討議では土木分野への活用可能性についてのお話があり、大変有意義なセミナーとなりました。

三菱地所(株) 白根哲也(広報委員)

東京大学 中須賀真一教授
東京大学 中須賀真一教授