活動レポート

イブニングセミナー

第5回 「蓄電池の科学 ―電池の固体化を目指して―」(東京工業大学)

2019年2月14日、第5回イブニングセミナーでは、東京工業大学 菅野了次科学技術創成研究院教授をお招きしました。
菅野教授は電池の固体化に向けた物質探索研究を一貫して行っており、全固体電池を開発されました。全固体電池は耐久性、容量、作動可能温度といった諸点でリチウム電池より優れているという特徴があります。講演は、そういった固体電池とリチウム電池の特徴の違いも含め、蓄電池の歴史や、全固体化に向けての技術開発について、お話ししていただきました。
本セミナーのテーマである「イノベーション」の視点から、どのようにして全固体電池を開発したのかについて、菅野教授は「結局は気づくかどうか」と仰いました。そして、その「気づき」は、トライアンドエラーの繰り返しの中で蓄積される大量のデータと、自己の経験に基づくものであるというお話が印象的でした。
全固体電池のデバイス化について、「電池は使うデバイスと結びついている」というご発言があり、電池を使う側のアイデアがデバイス化の重要な要素であることがわかりました。また、全固体電池のデバイス化には様々な段階があるため、メーカー等の協力が不可欠であるが、そのサポーターを見つけることが難しいとのご発言もありました。このように、イノベーションを形にするためには、多様な主体が協力する必要があり、かつその環境づくりも重要であるということを感じました。

みずほ総合研究所(株) 髙森惇史

菅野了次教授
菅野了次教授