J-RAIL インタビュー

【特別企画】ポストコロナにおける鉄道分野の技術・政策の役割・展望

 2020年以降の新型コロナウイルス感染症の流行によるテレワークの普及や外出の自粛等は、鉄道事業の収益に大きな影響を及ぼしており、各事業者においては、経営改善に向けた様々な施策が展開されています。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)の活用やCN(カーボンニュートラル)への対応、激甚化する自然災害の対策など、取り組むべき課題も多く存在しています。

 こうした中で、土木学会土木計画学研究委員会の鉄道技術・政策連合シンポジウム実行委員会では、ポストコロナを見据えた鉄道分野の技術・政策の役割や展望について、土木・機械・電気の各分野における産学の責任あるお立場にある方々へインタビューを行いました。

 ご多用のなかインタビューにご協力いただきましたことに御礼申し上げますととともに、インタビューの内容が鉄道に携わる技術者・研究者の皆様のお役に立てれば幸いです。

土木学会 土木計画学研究委員会 鉄道技術・政策連合シンポジウム実行委員会
委員長 金子雄一郎
日本大学教授

キャリア女性や高齢者のニーズを取り込む

芝浦工業大学工学部土木工学科教授 岩倉 成志 氏


コロナウイルス感染症は、人々の交通行動に大きな変化をもたらした。その変化はポストコロナ世界においても続くのか。また鉄道サービスのあり方はどう変わらなければならないか。交通計画や交通行動分析が専門の岩倉成志氏に、これからの鉄道需要の見通しや、新たな需要創出策について伺いました。
キャリア女性や高齢者のニーズを取り込む

「融合と連携」で高効率なメンテナンスを

東日本旅客鉄道株式会社代表取締役副社長 伊勢 勝巳 氏


インフラの老朽化が進むなかで、安全の確保には、適切なメンテナンスが欠かせない。しかし、鉄道の保守点検作業の環境は厳しく、作業員の減少も懸念される。解決の糸口は何か、また今後求められる技術は何か、伊勢勝巳代表取締役副社長に伺いました。
「融合と連携」で高効率なメンテナンスを

6つのセルフ技術で新たなモビリティシステムを構築する

東京大学モビリティ・イノベーション連携研究機構長
生産技術研究所・次世代モビリティ研究センター教授 須田 義大 氏


鉄道業界はコロナ禍で移動や集積が制限され、非常に大きな影響を受けていますが、長期的な視点では少子高齢化や人口減少などによる利用者の減少は予測され、そうした見地から技術開発は進められていました。今後はその流れが加速する傾向にありますが、これまでの概念を転換し、新たなモビリティのシステムや技術が重要となります。これからのモビリティとしての鉄道には何が必要か、東京大学モビリティ・イノベーション連携研究機構長/生産技術研究所・次世代モビリティ研究センターの須田義大教授に伺いました。
6つのセルフ技術で新たなモビリティシステムを構築する

安全な輸送を守りながら、省エネ・効率化をはかる技術開発に打ち込む

東京地下鉄株式会社取締役鉄道本部副本部長 中澤 英樹 氏


コロナ禍での行動制限や社会変容は交通業界に大きな影響を及ぼしました。都市鉄道である東京地下鉄株式会社(東京メトロ)も乗客が減少しながらも、次世代に向けた鉄道のあり方を目指して経営方針を打ち出していますが、その中で基軸となるのが車両や施設に関連する新たな技術開発です。中澤英樹取締役・鉄道本部副本部長に様々な取り組みについて伺いました。
安全な輸送を守りながら、省エネ・効率化をはかる技術開発に打ち込む

人口減少時代に必須となる自動運転

東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻教授 古関 隆章 氏


鉄道界に大きな衝撃を与えたコロナウイルス感染症。そこから鉄道事業者は何を学んだのか。また、ポストコロナの世界を見据えた鉄道の技術イノベーションとは何か。リニアモーターなど電気駆動の設計と制御が専門の古関隆章氏に伺いました。
人口減少時代に必須となる自動運転

固定費の削減と鉄道の魅力向上につながる技術を

公益財団法人鉄道総合技術研究所理事長 渡辺 郁夫 氏


「鉄道は巨大な装置産業。持続的な発展には、省力化や自動化による固定費の削減が鍵を握る」と話す鉄道総合技術研究所の渡辺郁夫理事長。ポストコロナ世界において求められる技術イノベーションと、その具体的な取り組みについて伺いました。
固定費の削減と鉄道の魅力向上につながる技術を