活動レポート

イブニングセミナー

第2回イブニングセミナー 「インフラメンテナンスの新潮流」報告

さる10月12日、第2回イブニングセミナーをオンラインで開催し、クモノスコーポレーション株式会社代表取締役・中庭和秀様より「インフラメンテナンスにおける3Dデータの活かし方」と題して講演いただきました。
 
 講演前半では、コンクリートのひび割れ計測システムであるKUMONOSについて、その概要から開発経緯、今後の展望までをお話しいただきました。今では唯一無二の技術として国内外で高い評価を得ているKUMONOSも、国内の橋梁点検は「近接目視により行うことを基本とする」というルールの壁に阻まれ、先んじて海外の実績作りに注力されたというストーリーは特に興味深く、それから10年余りで世界28か国でのビジネス展開を成功させたという同社の実行力には驚くばかりでした。
 
 講演後半では、非常に精巧な大阪中之島の3D映像を始め、3Dスキャナを組み合わせた計測・モデリングの様々な事例を紹介いただき、バーチャル体験やインフラ・文化遺産等の維持管理・復旧・記録への活用など、「1000年後まで残るデータ」とし
ての3Dデータの無限に広がる可能性について語っていただきました。
 
 コメンテーターとしてご参加いただいた東京大学大学院工学系研究科・布施孝志教授からは、3Dから4D、さらに高次元のデータモデルの展開への期待が示されるとともに、同社の技術があればそうした活用が実現できるのだということを本講演で改めて痛感した、という感想をいただき、続く質疑応答においても活発な意見交換が行われ、充実したセミナーとなりました。

みずほ総合研究所㈱ 小林香咲(広報委員)

クモノスコーポレーション(株) 中庭和秀代表取締役
クモノスコーポレーション(株) 中庭和秀代表取締役
東京大学大学院 布施孝志教授
東京大学大学院 布施孝志教授