活動レポート

ユニーク研究者

ユニーク研究者がやってくる 「土木を叩くメディアの真意」 (東京理科大学)報告

ユニークな研究者を訪問してお話を伺う「ユニークラボ探訪」、11月7日は東京理科大学 田中皓介 理工学部土木工学科助教をお招きして「ユニーク研究者がやってくる」を開催しました。
田中先生は、1995年頃より報道の土木バッシングが多くなり、現在、公共事業縮小という世論が大半を占める状況の中で、この世論が、偏った報道の影響を受けて形成されていることを詳らかにする研究をされていました。
研究では、報道の偏りを実証分析されており、新聞の公共事業に関連する記事を調べ、新聞の主張が偏っていること、事実を歪めて報道していること等について定量化・見える化をされていました。その中でも、公共事業は無駄と主張する記事が多く、公共事業が必要との論調の少なさに驚かされました(図1)。報道は、土木バッシングが世論に分り易く訴えることが出来るため、土木バッシングを繰返す構図になっていると、ご示唆いただきました。
こうした中、適切な議論が封殺されてきたのが実態で、土木(公共事業など)の必要性を客観的に示すこと、適切な情報を発信することが必要だと研究紹介いただきました。土木への世論について、新たな観点に立つことができ、土木業界も様々な視点から議論し合い、主張していく文化を醸成していくことも必要だと感じました。

東武鉄道(株) 越野晴秀(広報部会員)

田中皓介助教
田中皓介助教
図1 新聞各紙の偏り「多様性なき新聞」
図1 新聞各紙の偏り「多様性なき新聞」